「体育授業などの前の3分間:けがを防ぐ準備運動のコツ」 ~ねんざやひざの痛みを防ぐために~ 動画編
体育授業や部活動では、足首のねんざやひざの痛みがよく起こります。
こうしたけがを防ぐために、とても大切なのが「準備運動(ウォーミングアップ)」です。
今回は、けが予防につながる簡単なウォーミングアップのポイントをご紹介します。
上記の動画は、そのウォーミングアップの実践例です。
5〜6月は怪我が増えやすい時期
5~6月は運動量の急な増加やチーム環境の変化から、1年の中でもけがが増えやすい時期と言われています。新学期が始まって1か月ほど経ち、試合に向けてからだを動かす機会が急に増える一方で、からだは十分に慣れていない状態で、さらに練習やトレーニングの積み重ねによる疲労も加わり、筋肉や関節に負担がかかりやすくなります。
こうした時期に特に大切なのが、運動前の「準備運動」です。なんとなくからだを動かすだけで終わらせるのではなく、ポイントを押さえた準備運動を行うことが重要です。
今回は特に多いねんざやひざ痛の予防に着目した準備運動をご紹介します。
準備体操の目的と効果
なぜ準備運動が必要なのでしょうか?「とりあえずからだを動かす」だけでは、十分な準備運動とはいえません。
まずは準備体操の目的と効果についてご紹介します。
①からだを柔らかくする(柔軟性を高める)
練習や試合においては、普段の生活では動かない範囲まで関節を動かしています。準備運動が不十分な狭い可動域のなかで動かすと筋肉や関節を痛める原因となります。
関節を大きく動かす準備運動を行い、関節の動く範囲を広げておくことが大切です。
②筋肉の温度を上げる
軽くからだを動かすと筋肉の温度があがり、筋肉がやわらかくなります。結果、より力を発揮しやすくなり、急な動きに反応もできるようになります。結果、肉離れや関節痛などを防ぐ効果が期待できます。
③心臓や呼吸の準備をする
血液は酸素や栄養を筋肉に運ぶ役割をしており、いきなり激しい運動を始めると、からだがびっくりして酸素の運搬が追いつかず大きな負担がかかりやすくなります。軽くからだを動かすことで、心拍数や呼吸が少しずつ上がり、全身の血流がよくなります。からだを「運動モード」に切り替える時間が大切です。
④反応速度を高める
筋肉は脳からの指令によって動きます。準備運動の中に素早い動きを取り入れると、脳や神経の働きも活性化し、とっさの動きやバランスを取る動作がしやすくなります。結果、ねんざやじんたい損傷の予防につながります。
まとめ
準備運動は「形だけやるもの」ではありません。けがを防ぎ、力をしっかり発揮するための大切な時間です。
特に5~6月は、まずは体育授業の前に3分だけでも、ウォーミングアップとして以下の3つを意識してみましょう。
1:からだを大きく動かす
2:少し汗ばむくらいまで動く
3: 素早い動きも取り入れる
毎日の小さな積み重ねが、けがの予防につながります。安全に、楽しく体育授業や部活動を続けていきましょう。
文・動画作成/学校保健委員会・中川和昌(高崎健康福祉大学医療学部理学療法学科 教授)