コラム 2022.04.01

コロナ禍で“腰痛&ぎっくり腰”にならない体の使い方とは?

重いものを持ち上げる時は“ハリ胸&プリけつ”がキーワード

 重い荷物を持ち上げる場合、介護現場などでも採用されている「ボディメカニクス」の技術が役に立ちます。これは、介護者が椅子に座った人をベッドに移動させる時などに腰を痛めないようにするための技術で、大きく分けて以下の4つのポイントがあります。

 

<ボディメカニクスのポイント>

  • 両足を開く
  • 重心を低く保つ
  • 体の中心(おへそ)に持ち上げるものを近づける
  • 腕ではなく体幹を使って動かす(持ち上げる)

 

ハリ胸&プリけつ」の練習

 

左:胸をはり、両手の中指を肩に当てて、胸を張る。

中:胸を張ったまま、背中や腰を丸めないようにしてお尻を突き出す。このとき状態を股関節から傾けるようにして膝をのばしたまま前かがみの姿勢をとること。

右:胸を張ったまま腕を下ろし、背中や腰を丸めないようにして、お尻を突き出す。膝は曲げる。

 

このボディメカニクスを日常生活の動作に応用すべく、松平先生が考案したのが「ハリ胸&プリけつ」の姿勢です。

 つまり、物を持ち上げる際には、この“ハリ胸”と“プリけつ”を意識し、脇を締めて物をおへそに近づけて持つことが大切です。また、そもそも重いものを一人で運ぼうとせず、できるだけ複数人で持ち上げたり、小分けにして重さを減らしましょう。止む無く一人で運ばねばならない時は、体重の1/4未満までの重さを目安としましょう。

(文・裃トオル)

 

プロフィール)

松平 浩 先生

医学博士・整形外科医。東京大学医学部附属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座特任教授。腰痛・姿勢・運動療法のプロフェッショナル。著書に『腰痛借金 痛みは消える!』(辰巳出版)、『10秒から始める! 脊柱菅狭窄症これだけ体操』(TJMOOK)などがある。

 

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