コラム 2026.04.01

良い姿勢で新学期の良いスタートを! 座り方とランドセルの背負い方のチェック!

新学期は「姿勢のくせ」がつきやすい時期

 春は新しい学年が始まり、生活環境が大きく変わる季節です。新しい机や教科書、ランドセルなど、子どもたちの学習環境も一新されます。しかしこの時期は、気づかないうちに「姿勢のくせ」がつきやすいタイミングでもあります。

 宿題をしているときに背中が丸くなっていたり、首をかしげてタブレットを見ていたりする姿を見かけたことはないでしょうか。こうした姿勢の崩れは、肩こりや疲れやすさだけでなく、集中力の低下にもつながることがあります。

 そこで今回は、理学療法士の視点から、家庭で簡単にできる姿勢チェックとランドセルの背負い方のポイントをご紹介します。

 

家庭でできる「3ステップ姿勢チェック」

 まずは、座っているときの姿勢を簡単に確認してみましょう。良い姿勢のために必要な項目を以下の3つのステップに従ってチェックしてみて下さい(図1)。

 図 1 椅子に座った良い姿勢 

  1. 机とお腹の間、椅子と腰にこぶし1個分のスペース 
  2. 深く腰掛ける 
  3. 足の裏をしっかりとつける 
  4. 背筋をまっすぐ伸ばす 

 

① イスに深く座れているか

座面に浅く座っていると、骨盤が後ろに傾き、背中が丸くなりやすくなります。お尻をイスの奥まで入れて座れているかを確認してみましょう。

② 背中と机の位置は適切か

背中と机の距離が離れすぎて、前かがみの姿勢になっていないかを見てみましょう。また、足裏が床にしっかりついているかも重要なポイントです。足が浮いていると体が安定せず、姿勢が崩れやすくなります。

イスの高さの目安は、「ひざが直角になり、足裏が床にぴったりつく状態」です。子どもの姿勢の悪さは、必ずしも本人の問題だけではなく、イスや机の高さなど環境が原因になっていることもあります。成長に合わせて、無理のない高さに調整してあげましょう。

③ タブレットやノートの位置は適切か(図2)

目線より低すぎる位置で画面を見続けると、首が前に出てしまい負担がかかります。机の上の教材の位置にも少し意識を向けてみましょう。

図2 良くない座位姿勢とタブレットの位置

左:顔を近づけすぎています

中:浅く腰掛けて背中が曲がっています

右:椅子が高すぎて、結果として背中が後ろに倒れています

ランドセルは「軽さ」よりも「フィット感」(図3・4)

 ランドセルは「軽さ」だけでなく、「体へのフィット感」がとても重要です。

 肩ベルトは左右均等の長さに調整し、ゆるすぎないようにしましょう。ベルトが長すぎるとランドセルが体から離れ、重心が後ろに下がって姿勢が崩れやすくなります。

 また、背中の接地面が広く、肩甲骨の間にしっかり収まるように背負えると、重さを体全体で支えることができます。実はランドセルの重さそのものよりも、「重心の位置」が姿勢に大きく影響します。背中の上部で安定して支えられる状態が理想です。

図3 ランドセルの良い位置 

肩甲骨〜腰に掛けてしっかりと接触して支えています。 

これなら元気よく学校に行けそうですね! 

勉強の合間に「姿勢リセット運動」

日常の中で姿勢を整える簡単な運動を取り入れるのもおすすめです。

例えば
① 背伸びをして全身を伸ばすストレッチング(10秒程度、図5)

図5 背伸びをして全身を伸ばすストレッチング(10秒程度) 

大きく背伸びした状態をつくります。余裕があれば左右に伸ばしながら倒します。 

② 肩を前後にゆっくり回す(時計回り・反時計回り10回程度、図6)

図6 肩を前後にゆっくり回す 

(時計回り・反時計回り10回程度) 

肩に手を付けたまま、肘を大きくゆっくりと回します。 

③ 両手を上げて胸を開き、深呼吸をする(大きく吸って吐く、5回程度、図7)

図7 両手を上げて胸を開き、深呼吸をする 

(大きく吸って吐く、5回程度) 

 このような簡単な動きで十分です。勉強の合間に行うだけでも、体の緊張をやわらげる効果があります。

 「30分勉強したら」、「30分タブレットを見ていたら」、と決めて実施する癖をつけておくとより効果的に取り入れることができます。

 

良い姿勢は「集中力と元気」の土台

 良い姿勢は見た目の問題だけではありません。呼吸がしやすくなり、集中力や運動能力にも良い影響を与えるといわれています。

 毎日の小さな習慣が、子どもの体の健やかな成長を支える大切な土台になります。新学期の健康チェックとして、ぜひ「姿勢」にも目を向けてみてください。家庭でのちょっとした声かけと工夫が、子どもたちの元気な学校生活につながります。

 

監修/(公財)運動器の健康・日本協会 子どもの運動器の健康推進事業・学校保健委員会 

撮影・文/  同委員会委員 中川 和昌  

 (高崎健康福祉大学保健医療学部理学療法学科 教授) 

イラスト/うえむらのぶこ

 

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