間食は悪くない! 栄養をサポートする優れた間食ベスト3
「ダイエット中は間食をしてはいけない」
このように考え、空腹を我慢しながら過ごしている人も多いのではないでしょうか。
しかし、間食は決してダイエットの敵ではありません。
実は、間食は「何を食べるか」が重要です。上手に取り入れることで不足しやすい栄養素を補い、空腹による食べ過ぎを防ぐなど、ダイエットをサポートしてくれる役割もあります。管理栄養士は、間食を「3食で不足した栄養素を補う時間」と考えています。
今回は、ダイエット中でもおすすめの間食と、その選び方について、管理栄養士・健康運動指導士のTejin(テジン)先生が解説します。
間食は本当に太る?
「間食=太る」というイメージがありますが、実際には間食そのものが体脂肪を増やすわけではありません。
体脂肪が増えるかどうかは、1日に摂取したエネルギーと消費したエネルギーのバランスによって決まります。そのため、間食を取り入れても1日の摂取エネルギーが適切であれば、ダイエット中でも問題ありません。むしろ、空腹を我慢しすぎることで次の食事を食べ過ぎてしまう方が、結果としてエネルギーオーバーにつながる場合があります。
大切なのは、「間食をしないこと」ではなく、「目的を持って選ぶこと」です。

ダイエット中に間食を摂る4つのメリット
不足した栄養素を補える
間食で最も大切なのは、「お菓子を食べる時間」ではなく、「栄養を補う時間」と考えることです。ダイエット中は食事量が減ることで、糖質やたんぱく質だけでなく、カルシウム、鉄、食物繊維なども不足しやすくなります。そこで、3食で不足した栄養素を間食で補うという考え方が大切です。
例えば、鉄分が不足すると疲れやすさや立ちくらみなどにつながることがあります。間食も活用しながら、不足しやすい栄養素を補うことが大切です。
空腹感を和らげ、食べ過ぎを防ぐ
食事と食事の間が長く空くと、強い空腹を感じ、次の食事で食べ過ぎてしまうことがあります。そのような場合は、間食を取り入れることで空腹感を抑え、無理なく食事量をコントロールできます。特に、たんぱく質や食物繊維を多く含む食品は腹持ちが良く、満足感も得られやすいのが特徴です。
近年では「プロテインレバレッジ仮説」と呼ばれる考え方も注目されています。これは、たんぱく質の摂取量が不足すると、必要量を満たそうとして身体が食欲を高める可能性があるという考え方です。
血糖値を安定させやすい
炭水化物を一度にたくさん食べると、食後の血糖値が大きく変動しやすくなります。一方、必要な炭水化物を間食に分けて補給することで、血糖値の変動を緩やかにしやすく、午後の眠気やエネルギー切れの予防にも役立ちます。
運動をする人にとっては、運動前後のエネルギー補給としても活用できます。
たんぱく質を効率よく摂取できる
人がたんぱく質を一度に吸収できる量は個人差があり明確な上限はありませんが、1回の摂取量が25~30gがたんぱく質の利用が最適化されるとされています。
そのため、1日のたんぱく質摂取量が多い人は、間食も利用して複数回に分けて摂ることで、より効率的に身体づくりをサポートできます。
管理栄養士おすすめの目的別の間食ベスト3
糖質を補いたい人
1位 おにぎり
2位 さつまいも
3位 バナナ
糖質を補給する場合は、砂糖を多く含むお菓子よりも、でんぷんを主成分とする食品がおすすめです。でんぷんを多く含む食品は、糖質だけでなくビタミンやミネラル、食物繊維も一緒に補えるものが多く、栄養補給という観点でも優れています。
おにぎりやさつまいもは糖質だけでなく、ビタミンやミネラル、食物繊維も一緒に補給できます。
バナナは糖質に加えてカリウムも含まれており、運動前後の補食にも適しています。
一方で、羊羹やゼリーは消化吸収が速いため、運動前後のエネルギー補給には適していますが、普段の栄養補給としては主役ではなく補助的に利用すると良いでしょう。

たんぱく質を補いたい人
1位 ギリシャヨーグルト
2位 サラダチキン
3位 プロテイン
筋肉量を維持したい人やダイエット中に筋肉を減らしたくない人は、たんぱく質を意識した間食がおすすめです。
ギリシャヨーグルトは高たんぱく・低脂質で、デザート感覚で食べられるのも魅力です。
サラダチキンやプロテインも、効率よくたんぱく質を補給できます。
良質な脂質を補いたい人
1位 ミックスナッツ
2位 ゆで卵
3位 高カカオチョコレート
脂質はダイエット中に避けられがちですが、身体に必要な栄養素です。
ナッツには不飽和脂肪酸やビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEは脂質の酸化を防ぐ抗酸化ビタミンとしても知られています。
ゆで卵は良質なたんぱく質に加え、脂質や脂溶性ビタミンも補給できます。
高カカオチョコレートにはポリフェノールが含まれており、少量であれば間食として取り入れやすい食品です。
味別おすすめの間食
甘いものを食べたいとき
たんぱく質を補いたい人 ・ギリシャヨーグルト
糖質やカリウムを補いたい人 ・バナナ
糖質やカリウムを補いたい人 ・さつまいも
甘くないものを食べたいとき
良質な脂質を補いたい人 ・ミックスナッツ
たんぱく質を補いたい人 ・サラダチキン
エネルギー不足を感じる人 ・おにぎり

間食で避けたい食べ方
間食は食品だけでなく、食べ方も重要です。
例えば、
・夜遅い時間に食べる。
・ジュースだけで済ませる。
・菓子パンだけを食べる。
・栄養を考えず好きなものだけを食べる。
といった習慣は、エネルギーや糖質に偏りやすくなります。
まずは「今の自分に何が不足しているか」を考えて選ぶことを意識してみましょう。
間食におすすめのタイミング
・朝食と昼食の間
・昼食と夕食の間
・運動前
・運動後
空腹を我慢しすぎる前に少量の間食を取り入れることで、その後の食事量をコントロールしやすくなります。
運動前はエネルギー補給を目的に糖質を中心とした食品、運動後は糖質とたんぱく質を組み合わせた食品を選ぶことで、コンディションづくりや回復にも役立ちます。
まとめ
・間食はダイエットの敵ではなく、栄養補給の時間と考えることが大切。
・3食で不足した栄養素を補うことを意識する。
・糖質、たんぱく質、脂質など目的に合わせて食品を選ぶ。
・できるだけ自然に近い食品を選ぶと、ビタミンやミネラル、食物繊維も補いやすい。
・食べる量だけでなく、「何を補うか」を意識すると健康的なダイエットにつながる。
単に間食を我慢することがダイエットではありません。3食で不足した栄養素を補いながら、空腹とうまく付き合うことが、健康的で続けやすいダイエットにつながります。
目的に合わせて間食を上手に取り入れ、毎日の食生活をより充実させてみてはいかがでしょうか。
参考文献
・ダン・ベナードットほか【スポーツ栄養学ハンドブック】 東京大学出版会、2021年
申泰鎮(シン・テジン)
管理栄養士・健康運動指導士。高校時代のボクシング経験をきっかけにスポーツ栄養士を志す。現在はボクシングジムや大学ラグビー部で、増量・減量・コンディショニングに対応した栄養サポートを実施。競技者から一般層までを対象に、食事・サプリメント・体づくりに関する実践的な支援を行う。執筆や講演活動も多数。