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運動器のリレーエッセイ「パラスポーツの魅力」

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会が、コロナ禍への配慮で非常に対応が難しい状況が続く中、1年遅れで開催されました。感染拡大防止のために無観客開催となりましたが、多くの皆さんが映像を通して熱く応援されたことと思います。皆さんにとって、どんなシーンが強く印象に残っているでしょうか?

 私は、長野県東御市湯の丸高原にある高地トレーニング用プールに深く関係しているご縁から、合宿受入をしてきたオリンピック・パラリンピック両方の競泳選手の活躍に注目していました。加えて、長年深いつながりが続いているボッチャ選手の活躍からも目が離せず、力を籠めて応援していました。特に今回の東京大会ではたくさんのパラリンピック種目をテレビで視聴することができ、改めてその魅力を強く感じる機会になりました(Tokyo2020パラリンピック大会は、22競技539種目、161か国、参加人数約4,400人で開催)。

 ところで「パラリンピック」(Paralympic)は元々、オリンピックの開催年に開催国で行われた国際ストーク・マンデビル大会の愛称(Paraplegia(対麻痺者)のOlympic)で、1964東京大会の際に日本で名付けられたのが最初でした。これが1985年に国際身体障がい者スポーツ大会の正式名称になった時には、パラリンピックは、ギリシャ語の接頭語Para(沿う、並行)+Olympicと解釈されることになりました。現在パラリンピックは、障がい者にスポーツ活動の機会を提供する理念「機会均等と完全参加」と、「障がい者のスポーツのエリート性」を表す言葉になっています。1)

 また、2021年10月1日、公益財団法人「日本障がい者スポーツ協会」は「日本パラスポーツ協会」に名称変更されました。これに関する同協会・鳥原光憲会長のコメントでは、「『パラスポーツ』の名称は、ボッチャ競技などのように障がいの有無に拘わらず誰もが一緒に楽しめるスポーツの普及を促進する上での相応しさ」があり、「パラスポーツの振興を通じた活力ある共生社会の実現」を目指すことが明確にうたわれました。

パラスポーツを地域スポーツ振興の核の一つとして取り組んでいる日々の活動を改めて振り返えると、たとえ障害があっても「動く喜び、動ける幸せ」を誰もが感じる機会を提供することができるパラスポーツに底知れぬ魅力を感じています。運動器の健康に関わる多くの方たちに、障がいのある人もない人もともに共に楽しめるパラスポーツの魅力に触れていただける機会が今後さらに増えることを強く願っています。

文:岡田真平(公益財団法人身体教育医学研究所・所長)

1)「パラリンピックとは」日本パラリンピック委員会

https://www.jsad.or.jp/paralympic/what/history.html