卵は1日何個まで食べていい?
一般競技者からトップアスリートまで、“食”を指導している管理栄養士・健康運動指導士のTejin(テジン)先生による連載コラム第9弾。
今回は、卵に関する栄養情報です。
卵は「準完全栄養食」
「準完全栄養食」とも呼ばれる卵は、ダイエットからアスリートの栄養補給まで幅広く役立つ食品です。主菜の+1品として、あるいは麺類中心の食事の栄養バランスを補う時にも便利。包丁いらずで手軽に取り入れられるため、私自身も毎日の食生活に活用しています。
卵の特長は、ビタミンCと食物繊維以外のほぼすべての必須栄養素を含むことです。つまり野菜や果物、海藻と組み合わせて食べれば、より理想的な栄養食となります。
卵に含まれる主な栄養素(卵1個=約60gあたり)
たんぱく質:約7.3g アミノ酸スコア100。穀物で不足しがちなリジンを補い、食事全体のたんぱく質の吸収率を高める。
脂質:約6.1g 飽和脂肪酸:約1.9g。不飽和脂肪酸も含まれ血管の健康に寄与。
コレステロール:約222mg 血中コレステロールに影響を与えるが、個人差が大きい。
ビタミンD:約2.3µg カルシウム吸収を助け、骨の健康に寄与。
ビタミンB群(B2、B12など) エネルギー代謝や貧血予防に重要。
鉄:約0.9mg 酸素運搬に必要で、特に女性に不足しがち。
レシチン 血中コレステロール低下作用や脳の神経伝達に関与。
参考:「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
赤玉と白玉の違い

卵の殻には「赤玉」と「白玉」がありますが、これは栄養価の違いではなく、鶏の種類の違いです。羽毛が褐色〜黒色の鶏は殻に褐色の色素が分泌され「赤玉」を産み、羽毛が白い鶏は「白玉」を産む傾向にあります。殻の色が違っても、卵の栄養そのものにはほぼ差がありません。価格差は主に「鶏の飼育コストや採卵率」によるもので、栄養面では同等です。
卵は1日何個まで?
研究によって「1個まで」「3個程度でもOK」など結果はさまざまですが、現在の栄養学的な考え方としては、健康な人なら1日1〜2個までなら問題ないとされています。むしろ良質なたんぱく質源として積極的に活用できます。一方で、すでに血中コレステロール値が高い方や脂質異常症の指摘を受けている方は、1日のコレステロール摂取量を200mg未満に抑える必要があるため、卵は1日1個までを目安にすると安心です。特に50代以降の女性は閉経に伴いコレステロール値が上がりやすいため注意が必要です。
大切なのは「全体のバランス」
卵にはコレステロールを上げる成分(飽和脂肪酸など)もありますが、一方で不飽和脂肪酸やレシチンがコレステロールを下げる働きもあります。そのため卵単体の摂取数だけでなく、肉の脂身や魚卵などコレステロールの多い食品との組み合わせ、日常の脂質バランスを意識することが大切です。
管理栄養士・テジンの実践例
私自身は筋トレや体づくりをしているため、飽和脂肪酸量を考慮しつつ1日2個程度の卵を食べています。あわせて、肉の脂身を減らしたり、定期的に血液検査でチェックしながら体重管理も行っています。
簡単レシピ:冷凍ブロッコリーとほうれん草のスクランブルエッグ

材料(1人分)
卵:2個
冷凍ブロッコリー:3個(40g)
冷凍ほうれん草:15g
サラダ油:小さじ1
作り方
1・冷凍ブロッコリーとほうれん草を電子レンジで解凍する。
2・卵を溶き、フライパンにサラダ油を入れて中火で温める。
3・卵と解凍した野菜を加えて1~2分炒め合わせる。
4・お好みで塩やケチャップで味を調える。
POINT
・電子レンジ調理は栄養価を保ちやすい。
・火を通すことで卵のたんぱく質は消化吸収率がアップ。
・ビタミンC・食物繊維が不足する卵に、野菜を組み合わせることで栄養バランスが向上。
まとめ
・卵は赤玉でも白玉でも栄養価はほぼ同じ
・卵はビタミンC・食物繊維以外の栄養素を網羅した「準完全栄養食」。
・健康な人は1日1〜2個でOK。コレステロール値が高い人は1日1個を目安に。
・重要なのは卵の数だけでなく、飽和脂肪酸や他の高コレステロール食品との全体バランス。
・野菜と組み合わせて「+1品」することで栄養価がグッとアップ。
PROFILE
Tejin(テジン)
管理栄養士・健康運動指導士。高校時代のボクシング経験をきっかけにスポーツ栄養士を志す。今はボクシングジムや大学ラグビー部で増量・減量・コンディショニングに対応した栄養サポートを行っている。また、競技者から一般層までを対象に、食事・サプリメント・体づくりに関する実践的な支援を提供。執筆や講座出演も多数。