特集 2024.03.26

天気が崩れると痛みが強くなるのはなぜ? 【痛みと天気の対処法】愛知医科大学 医学部 疼痛医学講座客員教授 佐藤 純


【天気痛の対処法は】

 天気痛になりにくい身体でいるためには,自律神経を整えることが重要です。生活リズムを整え、良好な睡眠、朝食を摂る、軽い運動を心がけるなどによって、天気の変化に対して抵抗力がつきます。日ごろから、季節の変わり目や梅雨、台風シーズンに体調が崩れやすい人は心がけましょう。

 気圧センサーがある内耳の過敏性を抑える薬も効果的な場合が多いですが、薬物療法に加えて運動リハビリテーションを組み合わせたほうが、治療効果があがることが分かっています。運動すると痛みが強くなるから運動をしたくないという面もあるかもしれませんが、天気の影響は必ずあるものなので、そこで不調を引き起こさないよう、運動を治療のひとつとして体調を見ながら日々に取り入れてみてください。

 また、体調がよくないのに無理をしなくてもいいように周囲の理解を得ておくことも大切です。そのためにも、どんな天気のときに調子が悪くなるのか、体調を記録し把握しましょう。さらに重要な点は、もとから持っている病気を放置しないことです。頭痛、肩こりは放置していると「天気痛」になりやすい疾患です。その場しのぎで痛み止めの薬で対処するのではなく、根本治療を考えてみましょう。

文・愛知医科大学 医学部 疼痛医学講座客員教授 佐藤 純

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