疾患ナビ 2019.09.02

肩こりや五十肩はもうコリゴリ! 痛みを和らげる「肩の不調」解決メソッド

年齢を問わず“肩の不調”に悩んでいる人は多いと思います。代表的なものが「肩こり」。また、加齢により発症する「五十肩」もあります。ここでは、痛みや不快さを伴うこれらの肩の不調を緩和するためのヒントをご紹介します。

■「肩こり」ってそもそも何?

肩こりは、主に肩周りの筋肉の血行が悪くなることで起こります。血液によって運ばれる酸素が不足し、筋肉に老廃物がたまると同時に、筋肉の細胞から発痛物質が出て神経を刺激することで、時に痛みを感じるほどに肩がこってきます。

肩こりに陥る要因として、ストレスや冷えによる血行不良などが挙げられますが、もっとも大きな要因は、肩周りの筋肉の衰えと疲労です。筋肉が弱ると、腕を支える力が落ち、肩周辺がこり固まっていくのです。

腕の重さは人にもよりますが、片腕で約3キロ前後。両腕だと6キロ。生後3カ月の赤ちゃんの体重ほどもあります。しかし「腕が重い」と感じる人はまずいません。それは背中の三角筋や僧帽筋、菱形筋などが、重たい両腕を支えてくれているからです。

ところが、これらの筋肉は、日常生活ではあまり使わないので、弱くなりやすいのです。結果、少ない筋力で重い腕を支えることになるので、常に緊張状態になります。さらにパソコン作業などで長時間、同じ姿勢をとっていたりすると、肩や背中周辺の血流も悪くなり、結果、前述したような状態になるというわけです。

 さて、肩こり解消といえば、お風呂に浸かって温めたり、マッサージをしたり、湿布を貼ったりする人が多いと思います。緊張を一時的に和らげることはできますが、またしばらくすると肩はこります。

筋肉の衰えによる肩こりの場合、根本的な改善を望むなら、肩や背中周辺の筋肉を鍛えるのがオススメです。無理は禁物ですが、トレーニングすれば、いくつになっても筋肉は発達します。同時に、入浴や就寝時の寝方にも気を配り、ストレスを緩和してくと、なお効果的です。

★「お風呂ストレッチ」

少しぬるめ(約38〜39度)のお湯に、肩までゆったり10分ほど浸かります。その間、肩や首を回して筋肉をほぐしましょう。肩に力を入れてぐっと引き上げ、一気に力を抜く動作を10回程度行うのもおすすめです。

■五十肩はなぜ起こる?

肩こりは前述したような理由で起こりますが、ある日、特に理由もなく肩が痛み出し、腕が挙げられなくなることがあります。そう、「五十肩」です。これは、肩関節の周囲のさまざまな組織が炎症を起こすことで発症する、いわば肩の“老化現象”。40〜60代、特に50代の女性に多くみられます。

健常者は肩甲骨の動きで60度、肩関節の動きで120度まで腕を挙げることができますが、五十肩になってしまうと、肩関節の動きが大幅に妨げられ、肩甲骨による60度分しか腕が挙がらなくなってしまいます。

 発症初期には、肩を動かしたりひねったりすると、激痛が起こり、ひどい場合は大人しくしていても痛みが出て眠れない……なんてことも。こうした場合、無理な動作を控え、安静を保つのが大事。痛みを抑えるために、湿布薬、消炎鎮痛剤、ステロイド剤の関節内注入を始めとする薬物療法などで対処します。痛みが激しい時は冷湿布などで冷やしますが、痛みが和らいできたら温熱療法を行うのが効果的です。

 痛みは数カ月で治まりますが、今度は肩の動きが悪くなり、洗髪や洋服の着脱などの日常動作に支障をきたすようになります。慢性期には、まるで肩が凍ったように動きにくくなるので、積極的にリハビリテーションを行いましょう。ただし、医師や理学療法士の指導のもと、できる範囲で行うのが安心です。

●肩こり解消トレーニング

★「サイドレイズ」

1.5リットルのペットボトルを両手に1本ずつ持ち、椅子に座ります。両腕を伸ばしたまま、真横に肩の高さまで持ち上げ、4秒かけてゆっくり下ろします。10〜20回を目安に2〜3セット行います。

★「フロントレイズ」

1.5リットルのペットボトル1本を両手に持ち、前にまっすぐ両腕を伸ばして肩の高さまで上げ、4秒かけてゆっくり下ろしていきます。10〜20回を目安に2〜3セット行います。

★五十肩のリハビリ

手に重り(アイロンや水を入れたやかんなど)を持ち、肩の力を抜いて、上体を傾けます。体全体で腕を振るようにして、前後左右、また円を描くようにゆっくりと動かします。

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