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Interview

管理栄養士・本多京子さんが語る「料理と体と運動の関係」ー料理をするために台所に立つだけで体は鍛えられますー

料理は良縁も呼び込む!?

 家で料理を作り始めて10年くらい経った頃でしょうか。こんなことがありました。私には10歳下の弟がいるんですが、ある時、母がその弟を志望校に合格させるために、当時、新聞配達をしていた大学生を家庭教師に雇ったんです。月謝に加えて、うちの娘の夕飯付き、と勝手に条件を決めて(笑)。それで彼はうちで弟に勉強を教え、夕飯を食べるようになりました。結果的に弟は無事に志望校に受かり、その大学生も教えることにやりがいを感じたのか、自分で学習塾を始めました。

 すると数年後、突然その家庭教師の彼が家にやってきたんです。何の用かと思ったら、父に「お嬢さんを嫁にください」と言うんです。驚いた父が思わず「上か? 下か?」と尋ねたら、彼の答えは「下です」。どうやら妹に恋をしていたようなんです。いつも食べていたのは私の料理なのに!(笑)。少し腑に落ちない感じもありましたが、結果、二人は結婚して今も仲良く暮らしています。だから私は妹夫婦に会うたびに「二人の縁を取り持ったのは私のご飯よ」って言うんです(笑)

 人とのつながり、ということで言えば、こないだ北海道の知人から「雪化粧カボチャ」という白くてすごく大きなカボチャをいただきました。嬉しい反面、これは困ったな、と思って。だって一人じゃとても食べきれないでしょ。これをどう料理しようかな、と考えたわけです。で、まずカボチャの皮できんぴらを作りました。実の部分は一口大に切ったあと塩と砂糖をまぶして一晩寝かせて、翌日出てきた水分と一緒に煮込みました。ワタもかなり量があり、選り分けたタネは炒ってそのまま食べられるようにして、ワタは玉ねぎと合わせてポタージュに。それで早速おすそ分けです。1〜2階の人も、家の前のご近所さんも、お声がけすると、みんな喜んで取りに来てくれました。

 つまり、カボチャ一つとっても、これをどう料理しようかと脳を使えるし、それをおすそ分けすれば、人とのつながりも深まります。それに「雪化粧カボチャって知ってる?」なんて話題を雑談で振っても嫌がる人はいませんよね。食べずに生きてる人はいないわけですから、年齢・性別関係なく話が弾みます。買ってきた高級和菓子だと「どこで買った」で終わるかもしれませんが、自分が料理したものだと、もっと面白い話がどんどん出てきます。食べ物に興味を持てば、感動もあるし発見もある。そして食を通して社会も見える。シニア世代にこそ、ぜひ楽しんで料理をしてほしいですね。

「料理をするために台所に立つだけで体は鍛えられます」ー本多京子ー

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