コラム 2026.05.21

夏なのに体が冷える?! その原因と対策

一般競技者からトップアスリートまで、さまざまな選手や一般の方の“食”を指導してきた管理栄養士・健康運動指導士のTejin(テジン)先生による、信頼できる栄養情報を連載でお届けします。

私の職場であるフィットネスジムの女性会員の方の中に、夏でも体が冷えるというお悩みを聞くことがあります。

「1日中、オフィスでデスクワークしていますが、私は体が冷えるので夏でも膝掛けをかけています」

「冷たいものを飲むと体が冷えるので、夏でも冷たい飲料を控えています」

といった具合。運動を定期的にしていても、このような冷え性に悩む女性は多いんです。

そこで今回は、その原因と対策について解説します。

 

冷え性とは

 

冷え性とは、気温に関係なく体が慢性的に冷えて温まりにくい状態を指します。

血流が滞りやすく、手足の冷え、肩こり、だるさなどの不調につながります。

実は、これ、現代人の特徴でもあるんです。

冷え性や肩こりが増えている背景には、次のような要因があります。

1、体温調節機能の低下

エアコンや快適な衣類の普及で「体を冷やさない環境」が整った一方、自分の体で温度を調整する力は弱まりがち。そこで体温がなかなか上がらないのです。

2、運動不足による筋肉量の低下

 筋肉は「熱を生み出す器官」です。現代の便利な社会では、日常生活で歩くことや運動量が減っているため筋肉量が低下。熱を生み出しにくく、体が常に冷えやすい状態なのです。

3、朝食の欠食

体温は早朝が低く、日中にかけて上がり、夕方が最も高くなります。

食事を摂ると「食事誘発性熱産生(DIT)」により体温が上昇します。つまり朝食を食べない人は、この代謝スイッチが昼食まで入らないまま、低い体温で過ごしているのです。

 

冷え性対策

 

現代人が冷え性になる3つの理由を知れば、自ずと対策が見えてくるでしょう。もちろん快適な現代社会の環境を自力で変えるのは難しいかも知れません。

ですが、休みの日には、自然豊かな場所でエアコンのない環境で過ごしてみたりするのも良い方法です。

また、毎日の生活の中で意識的に歩くことを心がけること。

そして最も簡単にできることといえば、朝食を毎日必ず食べることです。

 

朝食を食べよう!

 

朝食は「体温スイッチ」です。

ただし、なんでもいいから食べればいいわけではありません。

冷え性対策に良い食べ物を意識することも重要です。

ごはんやパンなどの主食と、卵・納豆・魚・肉などの主菜を一緒に食べることで体温上昇+代謝アップにつながります。

また、体を温める食材や温める調理法を知っておくことも重要です。

温める食材を取り入れる

・根菜類(にんじん、ごぼう、かぼちゃ):体を芯から温め、血流促進

・香味野菜(しょうが、ねぎ、にんにく):血行改善、免疫力アップ

・発酵食品(みそ、納豆、漬物):腸内環境を整え、代謝をサポート

※一方で、トマト・きゅうりなど夏野菜は水分が多く体を冷やしやすいので、取りすぎに注意しましょう。

温かい調理法を選ぶ

同じ野菜でも、冷たいサラダより温かいスープ・煮物の方が体を温めます。根菜や豆腐を味噌汁に入れるだけでも効果的。

 栄養素の視点からのポイント

・鉄分(赤身肉、レバー、ほうれん草):血液をつくり体のすみずみへ酸素を運ぶ

・マグネシウム(ごま、ナッツ、豆類):血管を拡げ、血流を改善

・ビタミンE(アーモンド、かぼちゃ):血流促進、冷え改善

・たんぱく質(肉・魚・大豆・卵):筋肉の材料、体温維持に必須

温め食材の“落とし穴”も知っておこう

最後に、「身体を温める食材だから」とそればかりを食べる、偏った食事は実はリスクがあることもお伝えしておきます。

たとえば、唐辛子・しょうがなど香辛料 → 摂りすぎると胃腸を刺激しすぎて胃痛、腹痛を起こします。

また根菜類も、食物繊維が多いので、とりすぎで便通異常になることもあります。

さらに発酵食品 は塩分過多になりやすいのでこれも注意が必要です。

大切なのは主食、主菜、副菜を意識しつつバランスの良く温め食材を食事の中に取り入れることです。

 

冷え性が改善すれば良いことばかり

 

体温が上昇すると免疫力アップします。また、エネルギー消費増大し、ダイエット効果も期待できます。

実際に体温が1℃上がると基礎代謝は約13%上がるといわれています。

まとめ

 

・冷え性や肩こりは、血流不良・筋肉量低下・生活習慣が大きな原因

・朝ごはん、温め食材、適度な運動で、体を内側から温めよう

・鉄・マグネシウム・ビタミンE・たんぱく質などの栄養素も意識して摂取

・温め食材も“適量+バランス”が基本

 

毎日のちょっとした工夫で、冷えにくく、肩こりしにくい身体をつくっていきましょう。

 

明日からできる一歩

 

明日の朝ごはんから、納豆と卵、根菜入り味噌汁をプラスしてみましょう。

朝からの食習慣が冷えにくく、肩こりしにくい身体をつくります。

PROFILE

申泰鎮(シン・テジン)

管理栄養士・健康運動指導士。高校時代のボクシング経験をきっかけにスポーツ栄養士を志す。現在はボクシングジムや大学ラグビー部で、増量・減量・コンディショニングに対応した栄養サポートを実施。競技者から一般層までを対象に、食事・サプリメント・体づくりに関する実践的な支援を行う。執筆や講演活動も多数。

 

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