30余年続く腰痛検診が日本賞に選定。第14回 運動器の健康・日本賞の授賞式が明治記念館で開催
2026年4月19日(日)に、第14回 運動器の健康・日本賞の授賞式が、明治記念館(東京都港区)で開催されました。
運動器の健康・日本協会では、平成24年度より毎年、日本全国で行われている各団体・機関および個人の運動器の健康増進活動を顕彰しています。それが「運動器の健康・日本賞」です。
この賞の目的は、全国の子どもから高齢者まで、広く国民に、「運動器」(骨や関節、筋肉、靭帯、腱、神経など、身体を支え、動かす器官を指す言葉)の健康の重要性を知ってもらうと同時に、運動器の疾患や外傷・障害の予防・改善のための教育、啓発、普及を行うことにあります。
審査のポイントは、運動器の健康増進を目指す「運動器の健康」世界運動の理念「Keep people moving」及び本協会の標語「動く喜び、動ける幸せ」の基本理念に合致していること、そして「新規性」「継続性」「独自性」「効果実績」「対象者規模」という5つの項目です。
北海道の地域密着型検診活動に日本賞
今回、運動器の健康・日本賞(副賞100万円)に輝いたのは、旭川医科大学整形外科と、北海道社会事業協会介護老人保健施設ふらのリハビリテーション科が実施している「“農業従事者の背骨を守る”腰痛・運動器検診in 北海道芽室町」でした。
活動内容は、1992年から行っている住民への腰痛検診です。農業地域では50代になると腰痛や腰曲がりで仕事に支障をきたす人が多い、との相談を受けた旭川医科大学整形外科脊椎班が、町役場の協力のもとで実施している検診で、これまでの延べ参加者数は1,100名、10年以上にわたり観察継続中の参加者は200名を超え、親子二代で参加する人も。
検診で得られたデータは、医療従事者はもとより、地域住民への講演会にも活用されるほか、現在では腰痛検診に加え、運動器検診の要素も取り入れるなど、時間とともに活動の輪がどんどん広がっています。地域に密着し、長期間にわたる粘り強い活動とその成果が選考委員会でも特に高い評価を得ました。
▼表彰式で披露された活動内容のプレゼンテーションが動画で確認いただけます
「“農業従事者の背骨を守る”腰痛・運動器検診in 北海道芽室町」
優秀賞は“野球”と“紙相撲”
また、優秀賞(副賞25万円)は「富士富士宮地区における野球肘検診15年の歩みと継続による地域貢献」(医療法人社団英志会富士整形外科病院)、および「どんどこ!巨大紙相撲大会雷電東御場所」(どんどこ巨大紙相撲大会実行委員会)に贈られました。
前者は、成長期の野球選手に多発する野球肘、特に離断性骨軟骨炎の早期発見・治療・予防を目的として、富士・富士宮エリアの地域医療モデルとして15年にわたり継続されている活動です。
医師、理学療法士、看護師、指導者、保護者が連携し、従来の“痛みが出たら受診する”という思考から、「予防のために検診を受ける」という意識変革を地域にもたらすことに成功。野球肘の重症化や手術回避に大きく寄与し、成長期の子どもたちが安全・健全にスポーツを続けられる環境づくりに大きく貢献している点などが評価されました。
▼表彰式で披露された活動内容のプレゼンテーションが動画で確認いただけます
「富士富士宮地区における野球肘検診15年の歩みと継続による地域貢献」
後者は、史上最強と謳われる江戸時代の力士・雷電為右衛門の故郷・長野県東御市が2017年から継続実施している、紙相撲による大会事業です。紙相撲とはいえ、雷電の身長と同じ1m97cmもある巨大な段ボール製の力士で、参加者が全身を使って力士を制作し、対戦では腕や腹筋など上半身の運動器をフル活用して土俵を叩き、優勝を争います。娯楽が多様化する昨今、運動を継続させる「楽しさ」という要素が高く評価されました。
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奨励賞は“学校”と“環境”がテーマ
また、奨励賞(副賞10万円)には、「成長期運動器傷害・機能不全予防を目的とした学校活動下での取り組み」(浜松市リハビリテーション病院 スポーツ医学センター)と、「日常環境における身体活動促進のための『環境実装プロジェクト』」(岡山医療生活協同組合 総合病院岡山協立病院)がそれぞれ選ばれました。
▼表彰式で披露された活動内容のプレゼンテーションが動画で確認いただけます
「成長期運動器傷害・機能不全予防を目的とした学校活動下での取り組み」
「日常環境における身体活動促進のための『環境実装プロジェクト』」