運動器の健康・日本賞

平成25年度 運動器の10年・日本賞

審査委員による選評

当協会では、今般の応募申請審査にあたり、理事の中から5名と賛助会員(ゴールド)2社から審査委員に参画していただき、下記の7名による審査委員会で厳正な審査を行いました。

審査委員
松下 隆
専務理事
武藤 芳照
業務執行理事
稲波 弘彦
業務執行理事
新井 貞男
業務執行理事
三上 容司
理事
寺西 勝司
小野薬品工業(株) 営業企画統括部長
田中 明生
中外製薬(株) フェロー(常勤顧問)
運動器の10年・日本賞 選評
応募事業・活動の名称
地域の運動(ラジオ体操)グループ作りと健康づくり
応募団体・個人
千葉市若葉保健福祉センター

 本事業は、健康格差の是正や介護防止の観点から、「身近な所に運動のできる場を確保すること」と「運動の習慣を形成すること」とを目指して行われたものである。健康を維持しQOLの向上を実現するためには、定期的な運動が大切である。しかし、現実には運動習慣をつけることは簡単ではない。応募者は、地域住民の主体的な健康づくりを支援することを目的に、2008年度より「地域健康づくり支援ネットワーク事業」に取り組んできた。2011年度からは、『日本一、高齢者が生き生きと暮らせるまち若葉』を掲げ、その達成のために「いつでも、どこでも、だれでもができるラジオ体操」の推進に取り組んできた。現在、25のラジオ体操グループができ、参加者に運動習慣が出来たとともに、「笑うことが増えた」、「生活にリズムが出来た」などの相乗効果をあげており、ラジオ体操が単に運動習慣の形成効果に留まらず、地域の中で人と人とがつながるきっかけの場になることも示し、高く評価された。

松下 隆 審査委員
運動器の10年・優秀賞 選評
応募事業・活動の名称
学校の運動会における「ムカデ競走」に伴う外傷予防への取り組み
応募団体・個人
英志会渡辺病院整形外科:北里大学医学部整形外科

  「予防に勝る治療はない」とされるように、現場で起きている外傷の実態を把握し、その発生原因や背景を分析し、具体的予防対策を立案して、それを実施する。そして、ある一定期間の後に、その効果を検証するという一連の取組みは、学術的にも社会的にもきわめて重要な意義を有している。本事業は、学校関係者と医療関係者が連携・協力し、地元の小・中学校で行われている運動会の「むかで競走」に伴う外傷に着目した研究成果を基盤にした、児童生徒の運動器健康に関わる独創的な教育的事業と高く評価された。

武藤 芳照 審査委員
応募事業・活動の名称
エビデンスの基づく高齢者運動器疾患予防体操プログラムの開発と効果検証
応募団体・個人
和歌山県立医科大整形外科

 わが国では高齢化の急速な進展に伴い、要介護者の急増が危惧への対応が喫緊の課題となっている。要支援・要介護の原因としては、第1位が運動器の障害であるが、残念ながら脳血管障害ほど認知されていない。橋爪氏らは、虚弱高齢者にも実施可能な体操プログラムを開発し、行政の協力も得て、講演会や体操教室の開催、高齢者自主サークルへの定期的な整形外科医の派遣などを行っている。また、これらの事業と並行して科学的なエビデンス確立のための検証も行われている。地域への啓蒙、普及活動を主体としつつ、さらに科学的な手法でエビデンスも得ようという大変欲張りな企画であり、「運動器の10年」運動の顕彰にふさわしい事業である。

三上 容司 審査委員
運動器の10年・奨励賞 選評
応募事業・活動の名称
寝たきり予防の高齢者運動器検診
応募団体・個人
秋田大学大学院整形外科学講座
応募事業・活動の名称
ウオーキング教室・スロージョギング教室
応募団体・個人
三重大学大学院スポーツ整形外科
応募事業・活動の名称
地域における高齢者健康増進活動の取り組み
応募団体・個人
医療法人永島会永井病院
日本協会 特別賞
応募事業・活動の名称
希望を見つめる障害者の冒険・キリマンジャロ登山とゴビ砂漠ラクダキャラバン
応募団体・個人
障害者アクテイブ・ロコモーションズ・ジャパン