運動器の健康・日本賞

平成26年度 運動器の10年・日本賞

審査委員による選評

当協会では、今般の審査にあたり、理事の中から5名と賛助会員(ゴールド)3社から審査員に参画していただき、下記の8名による審査委員会で厳正な審査を行いました。

審査委員
松下 隆
専務理事
武藤 芳照
業務執行理事
稲波 弘彦
業務執行理事
新井 貞男
業務執行理事
三上 容司
理事
寺西 勝司
小野薬品工業(株) 営業企画統括部長
田中 明生
中外製薬(株) フェロー(常勤顧問)
間渕 清貴
日本イーライリリー(株) 筋骨格事業本部営業統括部長
運動器の10年・日本賞 選評
応募事業・活動の名称
高知県黒潮町における三世代ふれあい健診
応募団体・個人
高知大学リハビリテーション部

 高齢者のための身体計測や運動能力測定などの健康診断は比較的多くの地域で行われているが、本事業は世代間交流を目指して小学生が検者として健診に参加するという点が斬新である。

 健診に参加する小学生は事前に大学関係者から健康寿命の延伸のための運動器健診の意義やその方法について教育を受け健診の練習行うことで運動器の重要性を学び、高齢者は小学生が参加することで健診への参加意欲が高まるという相乗効果を狙っている。

 応募者らは平成17年度から10年間に渡って1,434名の高齢者を対象に運動器健診を行ってきた。

 健診を行う小学生、それに協力する父母・役場や学校関係者・大学関係者、健診を受ける高齢者の三世代が一つとなって、町民の健康寿命の延伸に向けて官学連携事業として取り組んでいる本事業は、全ての世代に運動器が健全であることの大切さを気付かせるとても良い企画であり、運動器の10年・日本協会「日本賞」に相応しいと判定した。

松下 隆 審査委員
運動器の10年・優秀賞 選評
応募事業・活動の名称
受身から攻めへの発想転換:ロコモ予防の取り組みは住民の受療行動を変化させるか?-和歌山県美浜町の挑戦
応募団体・個人
和歌山県立医科大学整形外科

 高齢化の急速な進展に伴う要介護者の急増への対応が、わが国の喫緊の課題であることは論を待たない。しかし、運動器の障害が、要支援・要介護の原因として第1位であることは、意外に知られていない。橋爪氏らは住民に対して、氏らが開発した体操プログラムの実技指導と講演を行い、さらに自主サークルの支援活動等の継続的な介入を行い運動器の重要性を啓発するとともに、得られたデータからロコモ 25とSF-8が改善したことや、医療経済的観点からの分析で、住民の受療行動が変化したことを示した。地域への啓発、普及活動を主体としつつ、さらに科学的な手法で有用なエビデンスを示した。今後の更なる事業の発展と、データの集積・解析に基づく新たな取り組みが期待される。優秀賞受賞にふさわしい事業である。

三上 容司 審査委員
応募事業・活動の名称
子どもたちの動く喜びを保育士が創る取り組み“レッツ 15 タイム”
応募団体・個人
長野県東御市健康福祉部子育て支援課「運動あそび専門保育士部会」

 本協会の標語は「動く喜び 動ける幸せ」 である。本事業は、子どもたちが「運動あそび」を通して、楽しみながらからだを動かす機会を増やし、将来にわたる運動器障害の発症予防や運動不足に伴う健康障害の予防、ひいては生涯にわたる運動・スポーツの習慣化や健康増進に結びつけようというものである。

 市内公立保育園全体の取り組みであり、当初は運動指導者が深く関わっていたが、6年の間に、保育士自身が主体的に企画・運営するように発展していること、全国の保育・幼児教育を担う現場に幅広く応用可能であること、本協会が長年推進してきた学校での児童生徒の健康診断に運動器の検査が必須化されたこの時期にふさわしいこと等が高く評価された。

武藤 芳照 審査委員
運動器の10年・奨励賞 選評
応募事業・活動の名称
ケーブルテレビを利用したロコモティブシンドローム(ロコモ)予防
応募団体・個人
岡山大学病院総合リハビリテーション部岡山大学整形外科
応募事業・活動の名称
多職種連携「動く喜び、動ける幸せ」支援セミナー -大腿骨近位部骨折予防・治療と生活支援-の取り組み
応募団体・個人
新潟大学医学部整形外科
応募事業・活動の名称
岩木健康増進プロジェクト
応募団体・個人
弘前大学大学院医学研究科整形外科学講座
応募事業・活動の名称
中山間地域自治体における運動器の10年の啓発と運動器検診の導入
応募団体・個人
浜松医科大学整形外科
応募事業・活動の名称
お互い様の地域支援活動~水曜会の活動
応募団体・個人
東京医療学院大学