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Health

「運動器の健康」推進のグローバル戦略“ 「運動器の健康・国際運動」発表 部分訳

 (P50)

 5.3 ピラーの3:資金(ファイナンシング)の取組み

 要旨

ファイナンシングとは、運動器の健康、痛み、傷害の予防と管理に支払う資金を、国内に於ける他の健康管理に要する資金と対比して示すものである。これはユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(全ての人が基礎的医療サービスを受けられること)との関連でも特に重要である。

 (P52)

 5.4 ピラー4:サービス提供

要旨

サービス提供とは、健康に関わる情報とサービスを市民レベルで提供することを指しており、これは規定の運動器の健康、運動器の痛み、運動器の外傷(二次予防を含む)と一次予防を指している。

高付加価値ケアを優先し、既存疾患の支援と適時(早期アクセスとトリアージ)・適所(適切な社会環境)を確保するとともにケアを統合して、適切なチームにより市民が安全で効果的、手頃な出費で受け入れ可能な形でケアを実施して、より価値の低いアプローチは排除する。

運動器の健康に関わるサービスは、地域センターなどにおけるより広範囲な既存の非伝染性疾患のサービス・モデルに統合すべきである。重要なことはサービス・モデルを社会との共同作業とすること、並びに社会的弱者との結びつきを優先することである。

予防に際しては3つの主要なサービス提供分野が重要である。

(i)リスク要因の分担と、運動器の健康は、共通のリスク要因と罹患の頻度を考えれば非伝染性疾患の一次及び二次予防措置に統合されるべきである。

(ii)臨床的有効性及びコストに見合うエビデンスがあれば、運動器の健康に特化した予防施策が実施・促進されるべきである。

(iii)運動器関連のけがとトラウマに関連した身体傷害の負担軽減のために、けが(スポーツ、職場、転倒)に対する国家的予防戦略とキャンペーンが必要である。

 (P56)

 5.5 ピラー5: 薬剤と技術に対する公平なアクセス

要旨

アクセスの公平性とは、世界中の運動器疾患を持つ人々が、経済状況の如何に関わらずパンデミック下であっても、ケア、必須な医薬品、リハビリテーション、新技術などにアクセスできることを意味する。

国、特に低所得の国々に於いては新しい効果的な治療や技術(例えばデジタル・イノベーション、外科的イノベーション及び関節置換手術)へのアクセスを改善する必要がある。加えて、低コストの補装具や機能を支える技術の開発とアクセスに資するイノベーションに、より重点を置く必要がある。さらに、運動機能をサポートするための低コストの補助器具や新技術へのアクセスを容易にするための支援にも焦点を当てる必要がある。

 (P57)

5.6 ピラー6:人的資源:能力、システム、手段の構築

要旨

人的資源とは、運動器の痛みや傷害を抱える人々を、専門の健康管理者及び非臨床健康管理者が診断し、トリアージし、適切な医療機関へ紹介し、適切に対応する能力のことである。

 

人的資源の能力を高めるための推奨事項は

 

(i)より適切な時期に評価、トリアージ及びエビデンスに基づく介護ケアへのアクセスを可能にする適切な医療を提供し、医療サービス提供のモデルを作ることために、人的資源の量を増やし、現在の人的資源の能力を高めること。

 

(ii)職種を問わず現在の医療従事者及び免許取得前のスタッフに対して、正しい運動器のケア、特に持続的な痛みのケアを適切な時期に実施できるようトレーニングを充実させること。

 

(iii)低・中所得国においては、人的資源を維持する為に医療従事者の報酬を増やすこと。

 

(P60)

5.7 ピラー7:観察(サーベイランス):人々の健康を観察する

要旨

サーベイランスとは、運動器の健康状態を含む国民の健康状態を正確かつ前向きに調査し、その結果を経時的に年齢、性別、地域、国際疫病分類、国際生活機能分類別に長期的に報告する能力を指す。

 

国による運動器の健康状態の調査、測定、報告を改善するための3つの優先事項が提案されている。

 

(i)既存の監視体制との統合を通じて、経時的に運動器の状態、痛み、外傷の発生の程度、有病率と影響を監視する国家レベルの監視体制維持を図る。

 

(ii)国家の監視体制において機能、生活の質、介護利用の可能性と容易さの測定を含める。

 

(iii)国家の健康調査機能では狭い年齢枠、性別、地域別、社会経済的条件別、国際疫病分類別、国際生活機能分類別のデータが報告できるよう図る。

 

(P62)

 5.8 ピラー8:研究と革新(イノベーション)

要旨

 「運動器の健康」の研究と革新を支援するには次の4つの分野が重要である。

 

(i)基礎科学から医療経済学に及ぶ特定の研究分野に関して、国家及び国際レベルで「運動器の健康」の研究分野の中での優先分野を明らかにする。

(ii)患者と臨床医との協力や国際共同研究を通じ、研究(特に低・中所得国における)を進める体制を築く。

(iii)研究資金のより多くの部分が「運動器の健康」の研究に向けられるよう提唱する。

(iv)新技術とビッグデータを利用した予防戦略、行動的システム・モデリングの探求を通じて、イノベーションを共有するための国を超えたメカニズムを各国に確立する。

以上

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