コラム 2021.09.10

「運動器の健康」推進のグローバル戦略“ 「運動器の健康・国際運動」発表 部分訳

(P41)

 5.1 ピラー1:市民と社会、団体、政府に対する「運動器の健康」に向けた広報活動

要旨

多分野にわたるパートナーシップを確立し維持して、運動器の健康に関する幅広い教育を行い、市民、地域社会、組織、政府が運動器の疾病の予防と管理のために行動できるようにする必要がある。

特に、コミュニティ(人々、患者、組織、政府)への関与と教育を支援し、政府と非政府機関の間のパートナーシップを確立するための多分野アプローチは、運動器の健康状態、運動器の痛み、運動器の外傷の予防と管理を改善するために強く求められています。また、健康をどのように捉えるかという点においては、文化の違いを考慮する必要がある。

行動のための4つの優先分野が提案されている。

(i) 市民、患者、市民社会組織(職場、雇用者などの産業界、学校や教育施設など)、各国政府など様々なセクターとの連携を図り、パートナーシップを構築する。

(ii) 公衆衛生教育のメッセージを、学校や高等教育施設、職場や雇用主、医療従事者、社会一般などの各部門に合わせて作成する。

(iii)なぜ身体を動かすことが重要か;運動器の健康管理に効果的な各種の方法を紹介して運動器の健康の重要性を含む運動器についての認識と理解を促進する。

(iv)教育的メッセージを伝える要員を活用する。すなわちソーシャル・メディアを広く活用し、患者と専門機関が連携して運動器疾患を経験した人が自己の体験談を人々に伝える。

 (P46)

 5.2 ピラー2:リーダーシップ、ガバナンスと共同説明責任

要旨

リーダーシップとガバナンスとは、世界及び国レベルの指導者達に運動器の健康、疼痛、外傷の優先順位を高めることを要求することを指している。

そして4つの優先分野が示されている。

(i)既存の政策及びシステムの統合/強化:たとえば運動器の健康を高齢化、リハビリ、傷害に対する普遍的な健康保険などより広範な改革活動に組み込むこと。

(ii)全ての関係部門、省庁、国際機関が運動器の健康を優先的に扱うことを提唱・主導すること。

(iii)運動器の状態の数値化と分類:健康状態の測定を拡大する必要があり、その測定値は社会活動への参加の程度と機能とを尺度とする必要がある。運動器の状態を明確に理解し適切な治療をするには、運動器の状態を意味のある診断法で分類する必要がある。

(iv)運動器の健康を強化するシステムをサポートするための法律や規制を検討する必要がある。

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