コラム 2023.09.11

スポーツ整形外科が語る「日本の野球少年の”肩と肘”はなぜ壊れやすいのか?」

少年野球関係者は「シーズンオフ」の重要性に理解を

 こうして独自の発達を遂げた日本の野球ですが、近年、徐々に変化の兆しもあります。例えば最近の「夏の甲子園」では、多くの強豪校が複数投手を起用したり、打撃でも選手にフルスイングを奨励するなど、従来の日本的な野球とは違う戦い方にチャレンジする指導者も多くなってきました。

 とはいえ、世界に目を向ければ、日本の少年野球の環境にはまだ課題が多いのも事実です。肩や肘の障害を起こすことなく、技術だけを向上させるのは至難の業ですが、小学校、中学生、高校、大学、各年代において必要とされる練習の質・量について、医学的な妥当性の検証がより必要となっていくでしょう。

 高校野球の場合、冬季は対外試合が禁止され、その間に治療に専念ができます。しかし、より休養が必要なのは成長期の野球少年です。彼らの肩や肘を休ませるためのシーズンオフは、必ずしも指導者(と野球をしたがる子ども)たちの理解を得られていないのが現状です。

 医療関係者と指導者、そして大会を主催者。この三者間の連携がその問題解決にはなにより重要です。

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