news

2021年度「運動器の健康・日本賞」は、栃木県の国際医療福祉大学理学療法士学科の事業に決定!

「運動器の健康・日本賞」とは、当協会である公益財団法人運動器の健康・日本協会(Bone & Joint Japan・略称BJJ)が平成24年(2012年)より始めた“運動器の健康”を普及啓発推進事業の1つです。全国の団体・機関および個人が行った「運動器の健康・推進活動」を募集し、審査によって、もっとも独創的かつ優れた活動を「運動器の健康・日本賞」として顕彰するものです。

 今年の第9回「2021年度運動器の健康・日本賞」では、昨年の2020年9月1日募集を開始し、2021年1月10日までに計23件の応募がありました。そして、2021年1月20日(木曜日)に審査委員13名による審査委員会が開かれ、その結果、「運動器の健康・日本賞」1件、「運動器の健康・優秀賞」2件、「運動器の健康・奨励賞」3件が選出されました。

もっとも優秀な賞である「運動器の健康 日本賞」は、栃木県の国際医療福祉大学理学療法学科の事業「機器を使わない運動を中心とした自助・共助・公助を生かした地域づくり」。応募事業に関しての概要は以下のとおりです。

応募事業の概要 :  本事業は、栃木県の県北に位置する大田原市(人口7.3万人)における高齢者幸福課、地域包括支援センター、社会福祉協議会、国際医療福祉大学理学療法学科が共同で15年間行ってきた地域づくりである。2020年度のCOVID-19の感染拡大予防のため、本市でも高齢者の活動を自粛せざるを得なかったが、事業が再開され、これまでと変わらない元気な高齢者の活動を見ることができ、地域づくりが成功例と考えた。本市では、高齢者の集まる場所(高齢者ほほえみセンターなど)を小学校区の範囲で市内25箇所がある。通いの場として、高齢者ほほえみセンターだけでなく、大田原いきいきクラブ53箇所、その他住民活動61箇所で展開されている。さらに、市内12地域で行われている「見守り事業」は社会福祉協議会に地域主任がおかれ、見守り隊総隊長から2490名の見守り隊で地域支援活動が行われている。本市では、年に1度、市の介護予防事業として地域在住高齢者の体力測定(握力、歩行速度、バランスなど)を約400名に実施している。初めのうちは、大田原市の基準値を作成し、各年代の運動機能と比較できるように整備した。その後、他者と比較するのではなく、これまでの自分のデータと比較できる仕組みを構築し、参加者にフィードバックしている。年に一度でも自分の体の変化を確認することで、健康意識を維持・向上する機会を作っている。さらに、本市オリジナルの「与一いきいき体操」を作成し、2019年には対象者の高齢化に伴い座ってできる体操を追加した。その体操は、与一いきいきメイト養成講座として運動を指導するボランティアを育成し、普及させ、主に前期高齢者が後期高齢者を支える形で市内に展開されている。体操の特徴は特殊な機器を使用せず、自宅でも運動ができ、コロナ禍でも継続することができる。<自助>与一いきいき体操の実施、体力測定の結果(性別・年代ごとの基準値、複数年の自分のデータ)<共助>高齢者ほほえみセンターの運営、大田原いきいきクラブ・住民活動の運営、与一いきいき体操の集団実施、見守り事業の運営<公助>高齢者ほほえみセンターの設置(ハード面)、高齢者ほほえみセンターのボランティア育成(ソフト面)、与一いきいき体操の作成、見守り事業の先導、体力測定の企画・実施 2020年度に突如襲われたCOVID-19という環境下でも、それに負けない地域である。

応募事業の効果・実績 : 2019年に本市オリジナル体操をリニューアルした。2019年のおたっしゃクラブの参加者は、延べ1785名であり、体力測定の参加者は397名。2020年はCOVID-19により、活動自粛であるが、徐々に再開しCOVID-19の感染者おらず、高齢者は変わらず元気で過ごしている。2019年にフレイル調査、2021年にコグニサイズを導入し、運動機能だけでなく認知機能にも発展させる予定である。